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2019年 03月 13日 ( 1 )

奈良三郷町の家、木工事中です。

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2階の一部がスキップフロアになっています。



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左側がスキップフロアにより、1階の天井が低いところです。
右側は吹き抜けになっています。

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2階の吹抜側から。
段差があるのが分かります?
微妙な段差ですが、いろいろと意味のある段差です(^^;

現場の大工さんから、
「どうして天井が低いの?」
と質問されました。
「一般的な天井と比べて低いのが不思議だ」
とのことでした。

そもそも一般的な天井の高さとは何か?と疑問に思っていることがあるのですが、それはさておき、天井高さに関して、3つの理由を話しました。

①耐震性の向上
建物高さが、高いほど揺れが大きくなります。
逆に、低ければ低いほど、安定します。
1階、2階共に、天井の高さをおさえることにより、建物の高さも低くなり、耐震性が向上します。

余談ですが、外注で構造計算を依頼しているところが多いようですが、加藤淳一級建築士事務所では、一般的な木造住宅であれば、出来るだけ事務所内で構造計算しています。
構造を構造事務所やプレカット会社などに任せず、自分たちで計算しているので、実感として建物の強度や高さを意識しながら設計出来るのがメリットです。


②居心地の良さの追求
ハウスメーカーや工務店さんなど、天井高さを2.4mを標準にしているところが多いようです。
天井高さを売りにしているようなところだと2.7m位だったりします。
それが当たり前のようになっているようですが、「それは本当に当たり前なんだろうか?」と疑念を持っています。

例えば、
 ソファに座る場所
 テーブルに座る場所
 畳に座る場所

それぞれの場所で、それぞれの居心地の良さがあるわけで、それを「天井の高さは2.4mが一般的だから」と安易に決めてしまうのが如何なものかと考えています。

それぞれの場所の居心地の良さに思いをはせて、さまざまな要素(その場所の用途だったり、その人の身体的な感覚であったり、外の景色だったり)を突き詰めて全体の空間を考えていくと、自然に天井の高さも決まってくるのではないか、と考えています。

建築とは、無限にある選択肢から、その都度にたった一つの選択肢を見つけるか、選んでいく行為であり、天井の高さもその内の一つです。

ちなみに、奈良三郷町の家の天井の低いところは、床フローリングにラグを敷いて、座卓でゆっくりするスペースです。
座卓に座った時の、景色がどのようにみえるか、キッチンで作業する人や2階の居室との距離感はどうか、光の入り方はどうか、などなど、その場所の「居心地の良さ」を追求しています。

天井を低くしようと思っているのではなく、さまざまな要素を突き詰めることにより、自然にその天井高さになっているのです。


③建物の佇まいが良くなる
建物の高さをおさえることにより、建物の佇まいが良くなります。
縦横比のバランスで、建物の高さが低いのに、かえって大きくみえることもあります。

江南の家は、1階、2階共に天井が低く、大工さんの言う「一般的な天井の高さ」の住宅と比べると、全体的な建物の高さが1メートルくらい低いのですが、なぜか大きい印象を与えます。
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内部も、天井が低い所はありますが、広がり感のある空間で、天井の低さを気にする人はいません。
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江南の家 撮影:星野裕也

実際に以前のブログで紹介した奈良の慈光院の例も交えながら、大工さんに、この3つを説明しました。
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二つ目の「居心地の良さ」は、仕上がった時に観てもらうのが一番なので、「完成した後に来てください!」とお願いしました。
木工事が終わったら、それから現場に来れない大工さんも多いもので。
仕上がった時に、体感してもらうのが、一番です^ ^

百聞は一見に如かず。

また、単純に天井低くすれば良いものではないことも念を押しておきました。
ただ考えなしに天井を低くすると、窮屈な感じになってしまいますのでご注意を。

開口のとり方、間(ま)のとり方、視線の抜けや広がり感のある間取りなどなど。

さまざまな工夫や、空間の突き詰め、想像力(妄想力?)が必須です。

オーナーのT様からも、
「一般的で当たり前だと思っていたことがそうではないことに気づかされた」
と話されていました。

一般的で当たり前だと思っていたことが、決して当たり前ではないこと。

そして住まいはとても奥深いものですが、身近なことから専門的なことまで、これから住まいづくりを考えている人の参考になるように、今後もいろいろと情報発信していきたいと思います。


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住まう家族にとっての快適さと、
建築としての可能性を追求する。
加藤淳 一級建築士事務所
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by jun-arch | 2019-03-13 18:13 | 新築・改築 | Comments(0)