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立体的に空間を繋ぐ

加藤淳一級建築士事務所の住宅7原則➁

「立体的に空間を繋ぐ」

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多くの家で1階と2階は分断されています。

かと言って安易に吹き抜けを設けると、冬に快適さを損ねる可能性があります。

そこで、1階と2階をずらして繋ぐ提案をしています。

これにより、1階にいながら2階の家族の気配が感じられ、開放感もアップ。

建具を閉じれば暖房効率も問題なし。

立体で考えると、家の可能性は広がっていきます。



立体的なつながり方はさまざまです。

 ①子ども部屋とつながる
 ➁スキップフロアでつながる
 ③小吹抜でつながる
 ④リビング階段でつながる
 ⑤テレワークでもつながる

以上、5つに分けて、事例を幾つかご紹介します。

①子ども部屋とつながる
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江南区の家
ダイニングの上に子ども部屋があり、小窓で繋がっています。
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キッチンから、
「ご飯だよー」
とか、
「早く起きなさーい!」
などと、気軽に声が掛けられます。
逆に子ども部屋からも、
「お腹減ったー!」
などと、家族のコミュニケーションがとれます。



➁スキップフロアでつながる

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中山の家
スキップフロア形式の住まい。
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2階の床をほんの少しずらすことにより、1階とのつながりを設けています。
子どもが小さい時は落下防止を設けておきます。
中山の家


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喜多町の家 2階ホール
2階ホールの下に玄関があります。

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玄関の天井をほんの少し低くして、その上に、2階のホールを設けています。
2階ホールにはスタディコーナーがあり、キッチンとつながっています。
喜多町の家


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五十嵐の家03

土地形状を活かした、スキップフロア形式の住まい。
1階、中2階、2階と3つの床レベルで成り立っています。
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断面図です。
中二階を中心に少し下がると1階の玄関や寝室。
少し上がると個室があります。
五十嵐の家03



③小吹抜でつながる
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三仏生の家
リビングの一角に小さな吹抜があります。


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その吹抜は、2階ホールとつながっています。

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2階ホール
小上がりになっているのが書斎。
左側に子ども部屋。
1階と繋がっています。
三仏生の家


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姥ケ山の家
小吹抜が2階廊下とつながっています。
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2階廊下から
1階と繋がっている横に細長い窓

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横に細長い小窓からの見下ろし

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コンセプト図です。
下屋部分の天井を少し高くして、2階と繋がっています。
姥ケ山の家


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荻曽根の家
1階の一部をダウンフロアにして、2階の床の一部を少し上げて、開放感を演出しています。
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コンセプト図
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2階の寝室と、2階ホールと1階がつながっています。
荻曽根の家




④リビング階段でつながる
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奈良三郷町の家
木製のリビング階段が空間のアクセントにもなっています。
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2階の踊り場を低くしています。
低い場所の天井高さは約2m。
低いところと高いところの天井高さのギャップにより、開放感を高めています。
床に直接座る場所の天井を低くしてあり、吹抜がありながらも、落ち着く場所になっています。

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踊り場は2階の床から少し下がっています。
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階段の踊り場。
踊り場は少し広くなっていて、客間にもなっています。
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断面図
階段の踊り場を低くして、1階から2階への連続性をスムーズにしています。
奈良三郷町の家



⑤テレワークでもつながる
最後にキッチンダイニングとつながる書斎と子ども部屋
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水道町の家  書斎
テレワークに最適な空間です。

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小窓から顔をだすと、
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下には、ダイニングキッチンが。
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吹抜にはもう一つ小窓があり、
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子ども部屋と繋がっています。

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テレワークに関して、詳しくは特集記事をご覧ください。

特集記事:在宅ワークを成功に導く鍵。それはワークスペースの設計にあり


立体的な繋がりの注意点として、
・吹き抜けやスキップフロアなどに対応した、しっかりとした構造計算を行うこと。
・小さなお子様がいたり、遊びに来るような場合は、安全対策をすること。
です。

空間的な面白さや設計者自身の自己表現のための建築ではなく、
「命を守り、冬暖かく、夏涼しい快適な空間をつくるため」
という意識をシッカリもって設計しなくてはいけません。

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住まう家族にとっての快適さと、
建築としての可能性を追求する。
加藤淳 一級建築士事務所
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by jun-arch | 2020-07-10 09:24 | コラム