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文京町の家 リノベ・価値の再発見

1~2年程前から手掛けていたリノベーション物件が、今年中に3物件ほど着工する予定です。

諸事情により、着工が今年に集まってしまったのですが、設計期間が長い分、色々と考えることが出来ました。

その一軒目が、文京町の家です。

使われていなかったお座敷を、主たる生活空間にリノベーションします。
生活形態により、広かった座敷を分割して間取りをガラリと変える必要がありました。
残せる要素を出来るだけ残して、なおかつ今の生活に合った空間になるように意識しました。


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残すのは、欄間、建具や床の間の落とし掛けなど。


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書院の建具や欄間も補修して残します。
昭和レトロな照明や小物なども再利用します。リユースです(^^)
その他にも、本来の用途と異なるものにしたり、古いものと新しいものが合わさったりして、いろいろと工夫しています。

文京町の家のお座敷は、建築当時の大工の腕と粋の気持ちがひしひしと伝わってくる空間でした。
その大工がもし生きていて、リノベーション後を見てガッカリするようなものにしたくない、と強く思いながら設計しました。

リノベーション工事で意識していることは、その建物の価値を再発見して、活かすことです。

建物の価値とは、職人の技術であったり、家族の思い出だったり、さまざまです。
一例として、1年ほど前に竣工した天野の家をご紹介します。


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写真:星野裕也

本来、廃棄するはずの減築部分の小屋梁を、居間の補強材として再利用しました。
今まで、家族の命を守ってきて、人目に触れなかった構造材を、生活の中心に持ち込みました。
そうすることで、空間に力強さが生まれました。

今では、オーナーがこの空間に愛着をもって、始めての来客にも自慢するほどに。

オーナーがより快適に暮らせるように、建物の耐震性や断熱性を向上させるのは、当然のこと。
オーナーの思い出や、建築当時に関係した人々の思いや努力に対して素直に向き合い、より良い空間になるような提案をしていきたいと思います。

オーナーの要望をただ聞くだけの、御用聞きのような仕事ではなく、建築を生業としているものとして、突き詰めて考え、より価値のある仕事にしていきたいと思います。


----家づくりをたのしむ、人生をたのしむ----
加藤淳一級建築士事務所
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by jun-arch | 2017-05-11 08:42 | リノベーション・リフォーム | Comments(0)